エルサルバドルの首都サンサルバドル



〜サンサルバドル〜

バスの中でぼーっとしていたら見事なくらいに乗客はいなく、変なバスターミナルに降ろされた。

とりあえずセントロに行けば何とかなるだろうと思いセントロに向かって歩こうとするが、どっちの方向がセントロなのかが分からない。その辺の人に道を聞くと、歩いていくと20分くらいかかるのでバスに乗ったほうがいいと言われた。

僕は大きい荷物を持って市内バスに乗ったり、道を歩きたくなかった。
宿に荷物を置いて、小額のお金とカメラだけを持って観光している分にはスリに会おうと強盗に会おうと構わない。さっさとお金を渡して逃げるだけ。だが、大きい荷物を持っている時は怖い。バックパックにはクレジットカードもパソコンもパスポートもある。強盗に脅されて身包みをはがされ、この3つを失ったらその時点で旅が終了してしまう恐れがある。それだけはなんとしても避けたかった。

が、バスで20分くらいの距離でタクシーを使えばかなり高額になる。日本の物価に換算すればたいした金額ではないかもしれないが何故か無駄な意地が働いた。僕はおばちゃんに道を聞いた。おばちゃんは丁寧に教えてくれ、教えてくれたバスでセントロに向かった。
バスの中は暑かった。僕は全神経を荷物に集中させ、運転手の近くに座った。

セントロに着いたが、場所がよくわからない。宿の住所を連呼してバスの運転手に伝えたが、あまりよくわかってくれなかった。とりあえず市内についたことで落ち着いたからか、無駄な意地を捨てて僕はタクシーに乗った。タクシーの運転手は5ドルと言ったがとりあえず交渉して4ドルまで下げた。それでも高い気がしたが、地球の歩き方には市内は3〜5ドルとあったのでまぁいいかという気持ちになった。こういう値段に対する無駄な意地は捨てたいようで捨てたくない。

タクシーの運転手に歩き方の安宿の住所を見せて、市内の東側にある宿にたどり着いた。メタパンに行く前に一泊だけ泊まった宿。若干高かったけど、僕はどうしてもスカイプをする必要があったため、高くてもちゃんとネットが使える所を選んだ。

移動は疲れる。僕は部屋で一気に寝た。

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翌日、サンサルバドルの街を歩いた。何日ぶりに観光しただろう?そして何日ぶりに一人で行動したのだろう?

朝起きてシャワーを浴びて、ボーっとして、街を歩いて、現地の汚い食堂で現地のご飯を食べ、夕方に帰ってきて休んで寝る。この当たり前の旅の行動がしばらく出来てなかった。むしろ旅を始めてから数えるほどしかこの当たり前の行動を取っていない。今までほとんどずっと誰かと一緒にいた。

久しぶりに一人になったことで僕は高揚感に包まれた。

サンサルバドルは活気に満ち溢れていた。

炎天下の中、市場では客引きの大きな声が大きく、バスのクラクションがうるさい。バスから出る排気ガスは真っ黒で歩いていると足がすぐに汚くなった。街全体が汚く、東南アジアを思い出させる。

でも、どこかアメリカのような感じもする。道を歩いているとヒップホップが爆音で流れ、一昔前のニューヨークのスラム街のような落書きがあちこちにある。人は陽気で何十年も前のアメリカのような、ラテンのアメリカ、そう、ラテンアメリカ。ここは中央アメリカ、またの名をラテンアメリカという。当たり前のことを思い出したときに妙に納得した。

サンサルバドルの街並み

サンサルバドルの街並み

サンサルバドルの街並み

特に危険という感じはしない。中米は危険だとよく言われるが本当に危険なのだろうか?何が危険なのだろうか?強盗?スリ?置き引き?そういう類のものはアジアでもよくあることでむしろ観光客が集まる所の方が危険な感じがする。

人が本当に優しい。道を聞くと丁寧に教えてくれる。何の見返りもなく普通に純粋に教えてくれる。なんとなく道行く人がメキシコよりもフレンドリーで気さくな感じがする。

中米は危険だからいかないと言う旅行者は多いが僕は本当に危険なのかをこの目で確かめてみたかった。そしてこの国はそんなに危険ではないと言うことを確信した。

ただ、暑くて、うるさくて、汚くて、人々が陽気で、優しくて、、、、旅をする上では最高の国だった。

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