ケセラセラ.バックパッカーの中南米旅行記。旅行記小説・・?



〜準備〜

ようやく行く場所が決まった。ここまで約1年半かかった。長かった。
行く場所が決まると物事が進んでくる。
地球の歩き方を買ったり、カードを作ったり、パスポートを増補したり、肝炎や破傷風の予防接種をしたりと準備を進めることが出来てきた。

自分が進む方向。自分がしっかりしていれば必ず道は開けるものだと確信している。自分がしっかりしていないから周りがよく見える。周りがうらやましくなる。周りに対して嫌悪感を抱く。そしてその自分に対しても嫌悪感を抱く。それをいつもいつも繰り返していた。旅に出ることでこんな自分を変えたいとは思わない。そんなことは前回もやったし、今のこの状況でやるべきことではない。

が、Yと話しているうちに、考えが変わった。時間軸を終わりから決めて旅のストーリーを作っていた自分に気づいた。自分の中でストーリーを決めて、そのとおりに進めようとする。インドに行った時にそれがいかに愚かなことかを知った、、、、、はずだった。なのに日本に帰ってくると、「いつまでに」「何をすることで」「結果としてどうなる」という時間軸を切ってしまうような考え方をしている。それが根本的に変わった。ストーリーどおりに行かないことこそ旅の楽しみであることを思い出した。結果というものよりも過程が重要。というよりも、結果などというものはない。最後の結果は死である。

もちろん、お金は重要である。旅をする上でお金がなければ何も出来ない。でも、もうある程度旅が出来るお金は持っている。これ以上何を望んでいるのだろう?不安であることは失敗することを怖がっているから。でも、結果がはじめからなければ失敗という概念はありえない。結果がない以上、中途半端に終わるという概念も、プレッシャーなどというものもありえない。

そうすると仕事のこととか、お金のこととか、旅の不安、焦りがなくなり、楽になった。

ただただ、何も考えずに旅に出たい。なぜ行くのかと聞かれるといつも返答に困る。「夢だった」とか「自分を試したい」とか綺麗ごとにはなぜか違和感を覚える。ただただ、行きたい、衝動といってもいいかもしれない。考えて考えて悩んで悩んだ結果はこれだった。






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物事は一度決まるととんとん拍子に進んでいく。ついに航空券を買った。

ロサンゼルス経由メキシコシティ行き。ネットで安いの探して手に入れた。 ロサンゼルスからバスで行くとか上海まで船で行ってそこからメキシコシティ行きのチケットを買うとか、バンコクとかクアラルンプールまでLCCで行ってそこから買うとか、いろいろと考えたけどもう面倒だからダイレクトに行ってしまおうと思った。

ここまで長かった。結局帰国してから約2年が経過してしまった。
当初は日本でちょこっとだけ金稼いで、韓国かオーストラリアにワーホリ行って、旅に出るっていう軽い気持ちだったけど、それが半年になり8ヶ月になり1年になり1年半になり、、、、いつのまにかあれもしたいこれもしたいってなっていって、どんどんお金が必要になって来て、だんだん焦ってきて、考え込んで考え込んで、自分が結局何をしたいかが全然わからなくなったりしたけど、ようやく自分が次にしたいことを決めて、それに見合うお金をなんとか貯めれた気がする。

今の家に住んでいる環境もいいし散々文句を言っているが仕事自体の環境は悪くない。それなりに楽しくて充実した毎日を送っている。航空券を買った時、急に今の生活を壊すことに不安になり、最後のクリックに戸惑ったけど、インドから帰ってきてずっと旅に出たいって想い続けてきてそのために色々と準備を進めてきた。やっと旅立てるって思うとわくわくする。

まずはメキシコ。語学学校でスペイン語を学んだりとかキューバでパーマカルチャーを見に行ったりとかブラジルでの日系人コミュニティに参加したりとかやりたいことはあるけれど、気持ちが焦りすぎないように一つ一つじっくりと南米を見て回りたい。

お金が続けばヨーロッパに渡ってトルコ・イランから中央アジア経由で中国に抜けるルートでいければとは思ってるけど、実際どうなるかはわからないし南米が楽しければ南米で終わる可能性もある。そして強盗にあってお金がなくなればすぐに帰国する可能性もある。

10月8日出発。

あと2ヶ月。友達やお世話になった人と飲みに行こう。そして最後(?)の別れを告げてこよう。

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