ブエノスアイレスでブラジルビザ(失敗)



〜ブラジルビザ〜

ブエノスアイレスにたどり着いたときは夜遅くなっていた。

ブエノスアイレスは南米の中では比較的治安がいいとされているが、それでも夜は怖かった。宿は歩いていける距離になく、地下鉄に乗らなければならなかった。スブテと呼ばれるアルゼンチンの地下鉄は、夜になると雰囲気が悪く、ヤンキーのような人もいれば明らかにラリっている人もいた。

荷物を持っていないときは強盗にあっても問題ないが、パスポートやクレジットカードだけは守らなければいけない、僕は特に荷物を持っているときは神経質なくらいに周りを気にしていた。

最寄り駅に着き、地球の歩き方の住所を頼りに宿へ向かった。裏通りは人がいなくて怖い。個々で襲われたら終わりだろうなと思いながらも全神経を集中させていつでも逃げれるような店などを把握しながら歩き続けた。

宿にはキッチンがあった。ずっとアルゼンチン人にお世話になっていて忘れていたが、アルゼンチンはレストランや屋台などの物価が異常に高い。自炊をしなければならない。込入った料理はは作れないので、パンとパスタを大量に買い、宿の冷蔵庫に保管しておいた。パスタさえ煮ればあとは市販のソースで何とかなる。



---

ここで、なんとしてでもブラジルビザを取りたかった。ブラジルと陸地でつながっている所でビザを申請しなければ往復の航空券を要求される恐れがある。ベネズエラで取ることも考えたが、あの治安の悪いところでパスポートを持って歩きたくない。つまりブエノスアイレスか、パラグアイか、ボリビアか、イグアスか、ウルグアイのモンテビデオか。だが、パラグアイもボリビアもすでに通ってきている。一度通った道を戻りたくない。絶対にここで取ろうと思って気合を入れた。

早起きしてブエノスアイレスの街を散歩しながら領事館に向かった。領事館はビルの中にあった。アスンシオンでの失敗を活かして、マルデルプラタで用意した英文残高証明書と航空券と証明写真とパスポートを持っていた。これで確実に取れるはずだと確信していた。

領事館の窓口ですべての書類を提出して申請したところ英語で「ハブユーメイドリザベーション??」と言われた。リザベーションって、、、予約か?どういうことかたずねるとどうやら事前にウェブで予約が必要と言うことだった。仕方なく領事館にあったパソコンで用意されたフォームに入力していった。入力内容はかなり緻密だったがごまかしながら書き終えた。

すべて書き終えると日付が表示された。1ヵ月後の日付だった。
これはどういうことかと尋ねると、1ヵ月後に申請ができるからその時に来いということだった。

「?????」

僕の頭は混乱した。一ヵ月後に申請って・・・・馬鹿か?
なぜ一ヵ月後なのかと問いただすと、予約で一杯だからと冷たく言われた。これ以上話しても無駄だったので一度外に出て公園のような所で作戦を練った。

「パラグアイに戻るか?イグアスに戻るか?それとも往復航空券を要求されるかもしれないが、チリかペルーで取るか?だが、もしもチリでもペルーでも1ヵ月後と言われたら、かなり厳しい状態になる。それに、早くビザを取って安心したい。ビザ取れなくて不安になりながら旅とか絶対にいやだ。というかなんでこんな面倒くさいんだ?段々腹がたってきた。ブラジルなんてスペイン語でもないし、大して興味もないし、行きたくない、、、けど、すでにチケットを持ってる。とるしかない。パラグアイに行くか、エンカルナシオンなら多分取れるだろ。多分、、、、、それかウルグアイに行くか、けど、往復しないといけないのが面倒だな。どうしよう、どうしよう、どうしよう」

僕は作戦を練った結果、一旦保留にすることにした。ブエノスアイレスで会いたい人がいたのでその人と会ってから決めようと思った。

TOP      NEXT


inserted by FC2 system