ウルグアイ/モンテビデオでブラジルビザ

ウルグアイ/モンテビデオでブラジルビザ

〜モンテビデオ〜

船でモンテビデオに行くはずのチケットだったが、何故かコロニアデルサクラメントという街で降ろされ、そこからバスで向かうことになった。僕は鈴木君と一緒に微妙に文句をいいながら、バスに乗り込んだ。

バスの中は暗かった。電気が全くなく、街灯も一切なく外の景色も見えなかった。真っ暗闇のバスの中で鈴木君は色んなことを僕に語ってくれ、気がついたらモンテビデオのバスターミナルに着いていた。

ターミナルについたころには夜23時を周っていた。夜も更けてきているにもかかわらず、バスターミナルには多くの人がいて売店などもやっていた。僕らはまず、持っていた現金をウルグアイペソに両替するために、カンビオへ向かった。

カンビオではなぜかアルゼンチンペソのレートが以上に悪かった。彼はアルゼンチンに1年ほど住む予定なので、僕は彼に持っていたアルゼンチンペソをアメリカドルに両替してもらい、そのアメリカドルをウルグアイペソに両替した。

両替が終わり、バスでセントロに向かった。地球の歩き方にのっていたバス停からセントロ行きのナンバーを探し、人に聞きながらバスを見つけた。モンテビデオの街はブエノスアイレスと比べると小さく、地図を見れば大体の位置は把握できた。

そこから事前にホステルブッカーズで調べた住所を頼りに、安宿に向かった。住所を見ると宿はメインの通りからちょっと離れた裏通りにあるようだった。裏通りには怪しいパブやストリップ劇場などが異様なイルミネーションを照らしていて怖かったが、日本人と二人ということもあり、ごく普通に宿を探した。

宿には看板もなく一見ただの民家に見えた。僕はホステルブッカーズの住所を間違えたのかと思い、別の宿を探そうかと思ったが一応呼び鈴を押すと、若い白人が出てきた。この宿はまだオープンしていないらしく、工事中のような内装だった。だが、普通15ドル位するウルグアイの宿で格安の、10ドルで泊めてくれると言う事だったので、この宿に泊まる事にした。

宿のスタッフは全員親切だった。どうやらここで宿の新規オープンの準備をしているようで、音楽をかけながら、ウルグアイ人の若者たちがオープンに向けて自分たちで工事をしているようだった。彼らの話し合いはどこか昔の映画のようだった。

ウルグアイの唯一の目的はブラジルビザを取ること。すでにブラジルからヨーロッパに抜けるチケットを取っている僕にとってもう、後がなかった。ここで取れなければ、リアルにイグアスかパラグアイに戻ってビザの申請をしなければならない。それは出来れば避けたかった。出来るだけ、来た道を戻ることはしたくなかった。

ブラジル領事館はメインの7月18日通りの真ん中にある独立広場から歩いて2分くらいのところにあった。僕はパスポート・証明写真・残高証明書・出国用の航空券、、とすべての書類を持って領事館へ向かった。領事館のビルにはブラジルの国旗があった。

ビルの5階に領事館があり、そこで申請手続きを取ろうとした所、また、ブエノスアイレスと同じようにウェブで申請手続きをするように言われた。ブエノスアイレスと同じような手続きをするという事は、ここでもブエノスアイレスと同じように1ヶ月待ちといわれるのか?不安が胸をよぎった。そして申請を終えると、ウェブ上に1ヵ月後の表示が出てきた。またか。これはどうしてもイグアスかパラグアイに行かなければ行けないのか。面倒だがしょうがない。と覚悟を決めた。

だが、よく見る1ヵ月後の表示の所にはExpiry(期限)と書かれてあった。この書類を1ヶ月以内に申請しなければならないという意味のようにも取れた。そしてそのままこの書類と持っていた書類を提出して10分ほど待たされて600ウルグアイペソ(2400円)を支払い、「月曜日に取りに来い」と言われた。通常2日間で受領できるようだったが、申請日が木曜日のため、土日をどうしてもはさまなければならなかった。モンテビデオに何日もいるのは嫌だったが、とりあえずビザが取れれば何でもいいと思いなおした。

他の多くのラテンアメリカの国と同じように、ウルグアイもまた日本と逆の季節、冬だった。寒々しかった。それどころか、前が見えないほどに霧が張った。とりあえず、歩いた。何を見るわけでもなく、歩き続けた。ウルグアイはキューバのようだった。キューバのように古くてぼろぼろな建物、馬を使ったごみ収集車、よく言えば古きよきヨーロッパのような、悪く言えば発展していない。寒くて静かなキューバだった。

この街は夜になると顔を変えた。ラテンアメリカ特有のどこか危険な、そして寂しげなヨーロッパのような、旅行者が一切いないこの街を歩いた。歩いているとマリファナの匂いがしてくる。カジノ周辺には怪しい人たちがたむろしている。怖かった。だが、とある理由からこの街を歩いた。

歩いていると詐欺にもあった。この街を夜歩いていたから当たり前だったのかもしれない。被害は2000円程度だった。この旅で詐欺に会ったのは初めてだった。だが、この程度で済んでよかったと思いなおして普通に宿に帰り、普通に寝た。

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