〜争い(前編)〜・・・仕事。仕事のことを考えるとものすごい嫌になる。あのWワークが出来なくなった日以来、適当にやっている。自分の思うように楽に、できるだけ身をいれないように、本当に最低限のことだけやって早々と帰っている。人間関係も今までにないくらい良好だ。何も言うことはない。パーフェクトだ。でも、周りに対して自分だけ賃金が低い。 時給は高いが時間が短い。長く働かせてくれない。昼の人は出るのに自分は土日手当も出ない。年金も保険も払わされている。結局あのフロアで自分だけが給料が低い。休憩もない。仕方がないから自分で勝手に休憩を取っている。それでも何も言われない。やることをやっていれば目立たない程度で何をやってもいいほどゆるい。 絶対評価で行けばあの場所は給料は高いのだと思う。今のこのご時世にしてはあの仕事量と責任感のなさの割には相当いい給料をもらって いるとは思う。あれだけコールセンターで電話もなく、数字さえ上げていれば全く持って何も言われない。一切のストレスがない。それは認める。派遣会社に感謝もしている。被害妄想だとおもう。小さいことを言ってると思う。自分も本当に小さい人間だと思う。でも労働時間において差別されていることは一生忘れないし、この感情を消すことはできない。 日本人は常に逆境を逆手にとって成長してきた。この時間が短いということを逆手にとってやらなければならない。そうすることで強くなる。今までもそうして きた。あの短い時間だったからここまでスローに生活できた。一生懸命いろんなことを考えることができた。それなりに本を読むこともできた。経済の事を考えることもできた。自分自身の心は豊かになったのかもしれない。(心の豊かさはお金と違って数字に表せないからわからない。)逆にこれで良かったのかもとも 思う。多分、昼になったらなったですぐに辞めてたかもしれない。嫌になっていたかもしれない。今が最高なのかもしれない。でも、差別されている。その事実は変わらない。 ------ いつものように仕事場に行った。 派遣会社から注意された。口が悪いということらしい。こんなことで注意されている自分の子供っぽさに愕然とする。成長が遅い自分が嫌になる時もある。純粋なことはいいことだが我儘になってはいけない。 自分の中にある焦り、妬み、不安、プライドの高さ、ナルシストな自分、自分への甘え、人への甘え、どんどんと自分自身の弱さが浮き彫りになってきているのに気付いている。いろんな人がいるけれど一般的にみて本当に本当に世間で言う「子供」である。何も責任を追っていない。自分自身の為だけに生きている。なにも守るものがない。自分のことしか考えていない。 でもこれは過渡期だと信じている。恐らく今のこの自分自身を見 つめることですこしでも社会貢献できる、人に対して何かができる人生になるのだろうと思う。少なくとも自分と同じような人間に出会った時に少しは気持ちを分かってあげられるだろう。 だが、こんな態度になっているのは労働時間が当初の約束と違うからである。そんな綺麗な想いとは裏腹に、ついに自分を抑えきれずに給与に対する不満を爆発させた。 ・・・こんなくだらないことを派遣先のフロアーで派遣元の社長と大きい声で言い争っていた。 その日の夜、言いすぎたかなと思って社長に電話した。 電話にでた社長は 「今飲んでま〜す」 と一言言って電話を切った。 ・・・・怒りは頂点に達した
行政書士に本気で相談して内容証明を送ろうと思った。内容証明を行政書士に頼んだらそれだけで結構なお金がかかる。そして、このままではこの会社をクビになる恐れがある。それがあるからこそ、今まで何も出来なかった。
・・・と思ったが今クビになってもなんとかなる。それよりもあの会社を倒したい。もうあの会社を倒したい。それしか頭になかった。 一応このことを派遣先の人に相談した。同じ派遣会社ではなかったがNさんとは別に昼の人でSVとしてずっと面倒を見てくれた人がいた。 ・「俺、会社に内容証明郵便を送るかもしれないです。多分送ったらクビになるので一応いまから挨拶しておきます」
会話は終わった。それでもイライラは収まらない。 TOP NEXT |